消えた長男

春分も過ぎ、日ごとに温かくなって春らしい日が続くようになってきました。
にもかかわらず、コロナウイルスのせいで世間の自粛・禁止ムードが何とも悲しい限りです。
せっかく気候が良くなってきたので出かけたくなるというのに、どこもかしこも中止・延期・閉館の嵐。
私は、幸いまだ大きく仕事には影響していませんが、時々お客様からは「孫が休校で家にいるので…」「仕事が休みになって…」と聞いています。
いつ終息するのか終わりが見えないことと、かつて見たことないほど全世界で広がっているのが恐ろしいところですが、今は我慢するしかないのでしょうね。

さて、相続の手続をする際、遺言書があるケース等を除く多くの場合で、被相続人やその親の出生から死亡までの戸籍謄本等が必要になります。
相続人を確定するためなのですが、時々古い除籍・原戸籍謄本が出ないことがあります。
特に亡くなった方の親の代ともなると明治生まれだとかで出生時の戸籍が出ないことは珍しくありません。
役所が廃棄したとか、災害があって記録がなくなったとか出てこない理由はいろいろあります。

先日私が当たったケースは「戦災」でした。
こういう時は役所に「出せません」という内容の告知書や廃棄証明等を出してもらって対応することになり、当然それより前の戸籍を辿ることはできません。
辿れた最後の除籍謄本を見て一瞬迷いました。
というのも、子供が二男から始まっていたのです。
長男は戦災でなくなった戸籍にしか書かれていなかったのですね。
親の結婚年齢や二男の生まれた年を考えると幼くして亡くなった可能性が高そうだけど、いやもしかしたら養子に出されたということも考えられるし、だとしたら長男生きているかも、亡くなってたとしても長男に子供がいたらその子供も相続人で…うんぬんかんぬん。
…と迷ったわけです。
しかし、仮に長男が生きていたとしても、他の親族が知っているか長男自身が名乗り出ない限り分かるわけがないのです。
今回は相続人もそんな人知らないということで、結論としては、こちらから探しようがありません。

今回は遺産に不動産がなく、遺産分割手続が必要なのは銀行の預金解約のみだったため、遺産分割協議書の作成のみをご依頼いただいていました。
その為、銀行側が何と言ってくるか分かりませんでしたが、通常の遺産分割協議書に加えて、相続人全員で「これ以外に相続人はいません」という申述書をつけて書類をお渡ししました。
今回はそれで何とか手続きは通ったそうです。
とは言え銀行側も戸惑ったようで、窓口の方から私に問い合わせの電話が入り、経緯を説明する必要はありました。
除籍謄本等が出ないことがあるのはよく経験していましたが、幼少時の頃のが取れないというだけのことが多く、子供がいる頃からのものが取れないというのは初体験でした。
こういうこともあり得るといい勉強になりました。

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